日本FP協会「投資助言・代理業としてのFPビジネス」
昨日、日本FP協会主催「実務家から学ぶ 投資助言・代理業としてのFPビジネス」の研修会に参加してきました。
第1部:IFA JAPAN 荒川 雄一氏
「FPにとってのビジネスモデルを考える」
FPが資産運用のアドバイスに踏み切れない理由とは?
- 資産運用の知識が少ない
- 投資や資産運用の経験不足
- 投資助言業の免許を持っていない
- 専門分野ではない
- アドバイス後、損した時に責任が取れない
大多数のFPの方の理由としては3〜5、特に「5」が多いと思われます。
しかし、ここの心構えと対応が非常に大切です。
商品を売るだけで、その後のアドバイスやフォローがないのが証券・銀行などの金融機関です。
FPは商品特性の説明やアフターフォロー、今後の対応策を一緒に考えられるということが最大の強みです。
そもそも、お客様に資産運用・資産形成のアドバイスをする目的とは?
現状の家計におけるリスク
日本人の殆どの方のポートフォリオは下図のようになっていると思われます。
一見この様なポートフォリオにはリスクはないように思われますが、実はリスクがあります。
それは「物価変動」です。
例えば、インフレにより物価が1割上がる=資産が1割減ると同じです。
荒川氏によると、将来どうなるかは、誰にもわからない。
だから「どうなってもよいようにしておく」、そのために「資産の分散」が必要とのことです。
結論として、ファイナンシャル・プランナーが「資産形成」を手伝う目的とは?
「お客様がお金に大きく困らず、人生を全うできるようにするため」
資産形成の手段
では、その資産形成に使う金融商品として、どのようなものがベストなのか。
金融商品をざっと挙げると
- 株式
- 債権
- FX
- 商品先物
- 投資信託
- 仮想通貨
などがありますが、結局行き着いたのは「投資信託」です。
荒川氏が投資信託を選んだのは、ご自身が数十年様々な投資を実践した結果、変動幅の大きい商品では「自分の老後の資産形成ができない」と思ったからだそうです。
先輩の実践結果を学べるのが我々世代の特権ですね。
FPの資産形成支援の目的
「将来どの様なシナリオ・環境になっても、対応できるプランを提供すること」
相場を当てるのは、FPの目的ではありません。
如何に時代に対応してお客様の資産を保全するか。です。
絶対に損はしないということは不可能ですが、何もしないよりも損を最小限に抑える。利益を少し押し上げる。
ということを目指します。
iDecoとNISA
まずはここから学ばれる。入るのが最適です。
自助努力による自分年金作りは、国民全体の課題。
資産形成抜きには包括的なFP相談は行えません。
第2部:キャピタル・アセット・プランニング 北山 雅一氏
「米国FP業務の最前線とアセットアロケーション」
米国CFPの現状
米国でのFPは、投資顧問が主な業務になっています。
お客様の目標やリスク許容度をヒアリングし、お客様の保有する金融資産に対し、適切な資産配分(アセットアロケーション)を行います。
米国ではCFPに登録するだけで、RIA(Registered Investment Adviseor)の資格を持つことができ、「CFP・お客様・証券会社」の3者間契約が可能になっています。(因みに日本と韓国のみが例外)
RIAは、日本の金融商品仲介業者の様な証券売買に係る手数料ではなく、資産残高の1%前後の額で顧問契約しているようです。
パッシブとアクティブ
FPはパッシブ派(保守的、インデックスファンドをメインに資産構築)とアクティブ派(積極的、アクティブファンドをメインに資産構築)に分かれており、お客様が自分の目的・投資方針に合わせて、最適なFPを選んでいるようです。
因みに私、小川敦史はパッシブ派です。
アセットアロケーション(資産配分)
- お客様との面談により、必要資金を分析する。
- 投資目的に合わせた資産配分を行う。
- 税効果も最大化する。
アセットアロケーションを組む流れ
- お客様のライフイベントを聞き出し、その際の必要資金を分析、キャッシュフローを把握する。これにより、債権と株式の配分を決定する。
- 債権の満期を必要キャッシュフローに合わせる形で商品選択する。
- 株式の投資比重を決定する。(大型成長、大型割安、小型成長、小型割安など)
投資政策書
原則、売買一任勘定により売買を行います。
この売買一任勘定に投資政策書の作成が重要な意味を持ちます。
政策書に忠実に投資する限り、お客様からパフォーマンスが悪いなどのクレームを受けることは少なくなります。
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