○暗号方式

共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の特徴を表にまとめました。

一長一短があるため、両暗号方式は併存して状況に応じて使用されている。

	共通鍵暗号方式	公開鍵暗号方式
処理速度	速い	遅い
鍵数について	多人数の場合、 必要な鍵の数が多くなる。	多人数であっても、 必要な鍵は１人につき２つだけ。
鍵の数	n(n-1)/2	2n
配布について	鍵の配布が手間	鍵の配布が容易
配布方法	電子メール・電話・手紙など	PGP・PKI
特徴	・手軽。 ・少人数での利用に向いている。	・環境構築に手間がかかる。 ・多人数での利用に向いている。

 

○ハイブリッド暗号

公開鍵暗号方式の短所を、共通鍵暗号方式で補う暗号方式。

平文を公開鍵暗号方式ではなく、共通鍵暗号方式で暗号化する。

その際の共通鍵を公開鍵暗号方式ので暗号化する。

共通鍵は平文に比べてファイルサイズが小さいため、

平文全体よりも共通鍵だけを暗号化するほうが処理時間の短縮となる。

 

○ハイブリッド暗号の手順

(1)送信者は、平文を共通鍵を使って暗号化する。・・・共通鍵暗号方式

(2)送信者は、共通鍵を受信者の公開鍵を使って暗号化する。・・・公開鍵暗号方式

(3)送信者は、(1)の暗号文と(2)の暗号鍵を受信者に送る。

(4)受信者は、自身の秘密鍵を使って (2)の暗号鍵を復号して共通鍵を取り出す。・・・公開鍵暗号方式

(5)受信者は、(4)の共通鍵を使って (1)の暗号文を復号して平文を取り出す。・・・共通鍵暗号方式

 

○ハイブリッド暗号の特徴

・共通鍵暗号方式の長所である「処理速度が速い」を活かしつつ、

「鍵の配布が手間」という短所を補う。

・公開鍵暗号方式の長所「鍵の数が少ない・配布が容易」を活かしつつ、

「処理速度が遅い」という短所を補う。